隣の席の佐久間くん

□隣の席の佐久間くん
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『あのね、佐久間君...、』



真っ赤になりながら申し訳ないと思いながら次の言葉を発する。



『図々しいのを承知でお願いです!どうか両親が帰って来るまで、私を佐久間君の家に泊めてくださいっ!!』



梓は堅く目を瞑り、言った。



頭を下げたかったが、それをできる体制ではないので断念する。



梓の急な言葉に佐久間は驚いた。



「紫苑!?」



恋心を寄せてる人物に突然泊めてほしいと言われれば誰だって赤くなる。



健全な中学生男子たるもの、当然あらぬ妄想を繰り広げてしまうのである。



佐久間は脳内から邪念を追い払い、断ろうと梓を見れば、梓は捨てられた犬のように佐久間の返答を待っていた。



濡れた少女を一晩中外に出しておくなんて佐久間には出来ず。



「...分かった。」



ただ一言そう返すしかなかった。








帰れない



(彼女を襲おうなんて、)


(馬鹿げてる。)











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