刹那、涙に死色の紅桜
□刹那、涙に死色の紅桜
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魅麗は涙を知っていると思い込んでいるのを知らない。
急に口調や一人称が変わったかと思えばこれが本当の姿なのか。
ますます気に食わない。
「僕、巨乳は嫌いなんだ。見てると削ぎおとしたくなる」
そう、イライラする。
人殺しの癖にのうのうと生きているのも、回りに甘やかされ自分が一番可愛いと思い込んでいる馬鹿らしさも、いきがって大人ぶる化粧も、妙に甘ったるく吐き気を催すような声も匂いも、無駄に蓄えた胸も全部嫌いだ。
ああ、嫌いだ。
殺したくなる。
だが殺すには早い、もっと絶望を、晴らせない屈辱を与えるまで、殺しはしない。
いっその事、どっかの国に売り飛ばしてしまおうか?
「魅麗をフるなんてありえないっ!!後悔させてあげる!!」
魅麗はそう宣言するといきなり自分の制服を破った。
弾けるボタン。
残念な事に胸は本物らしい。
クソ、乳癌になってしまえばいい。
魅麗は息を大きく吸うと、思いっきり叫んだ。
「キャーーーっ!!!」
あ、こういうのドラマで見たことある。
叫んで逃げて言い付けて被害者面するやつ。
ただちょっと違うのは魅麗がその後にとった行動だ。
魅麗は涙の制服を掴み、涙を強引に引き寄せ、倒れた。
予想外の行動に涙は容易く倒れた。
魅麗を潰さぬよう、咄嗟に地面に付いた手に石が刺さって痛かった。
潰さないように手を付いた辺り、私って結構優しいと思う...というのは思い込みか。
策略
(騙された?)
(いいえ、騙されてやるんだ。)
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