刹那、涙に死色の紅桜
□刹那、涙に死色の紅桜
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朝練がある事を有人から聞いていた為、それを知りもせず、遅刻なんて事態を避ける事が出来ていた。
しかし問題はその後のグラウンドに来てからだ。
真っ先に染岡は涙に近付いてきた。
「やめろ、染岡!」
染岡は制止の声も聞かずに涙に近づいた。
勿論涙は警戒していた。
「テメェ、なんでまだサッカー部に来んだよ...!?」
また何か変な言いがかりを押し付けてくるとは予測していた。
「まぁ学校にくんなより合理的だね。確かに部活は義務でも強制でもない」
涙の言葉は事実であり、言われても仕方がないと分かっている。
そして涙は言葉を続けた。
「でも部活は個人の自由だ。君が決める事じゃない。つまり完結に言うと君の命令は聞かない」
涙ははっきりと言った。
「なら力ずくで辞めさせてやる...!」
「マンガみたいな台詞だね。そういう少年マンガみたいなの嫌いじゃないよ」
涙は嫌味ったらしく言ってやった。
本格的にとことん喧嘩を売る性格になってしまったらしい。
いつから自分はこんな簡単に売るような尻軽女に...なんてね。
染岡は涙を指差し、宣言した。
「テメェの実力を見せてみろ!」
実力と言っても場合による。
次のテストで実力を見せろと言う事だろうか?
「どうやって?学力?」
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