刹那、涙に死色の紅桜
□刹那、涙に死色の紅桜
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噂に寄れば妹がいるらしい。
ターゲットは鬼道有人だけだから他は殺さなくていい。
私はただターゲットだけを殺す。
他を殺すのはモラルのないやつだけ。
ターゲット以外を殺せばただの殺人鬼でしょ?
涙はライフルのスコープに目をあてた。
レンズ越しにターゲットの彼...鬼道有人が見えた。
彼の心臓にもう直ぐ弾丸を撃ち込むと思うとドキドキする。
「不浄の桜に乱され、紅に染まりなさい」
そう言って引き金を引こうとしたら鬼道有人と目があったような気がした。
「っ!?」
嘘でしょう!?
何で...バレるはずがないのにっ!
ヤバい...手が動かない。
多分本能的に失敗すると感じ取ったのかもしれない。
...やめよ。
今回は興醒めだ。
また今度にするわ。
「次こそは必ず...、」
失敗
(不浄の桜に乱され、紅に染まりなさい。)
(殺してあげるっ!)
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