刹那、涙に死色の紅桜
□刹那、涙に死色の紅桜
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今日こそ殺してあげる!
そう決意して彼...鬼道有人を待つ。
時間は午後6時過ぎ。
そろそろ帰宅する時間だ。
彼は運動部に入っているからこの時間くらいに帰宅するのだろう。
それにしても今日は随分と遅い。
カツン...
背後で音が聞こえた。
涙はくるりと鬼道宅に向けていた視線を音が聞こえた方に向けた。
そこにはターゲットの鬼道有人がいた。
涙は目を見開いた。
「何故ここにいるって顔だな...」
図星だった。
涙は咄嗟に隠し持っていた拳銃を掴んだが、拳銃を掴んだ右手に衝撃を感じ、拳銃を手放してしまった。
地面に落ちて滑る拳銃や、私の腕に当たったボールが彼の足元に転がり落ちるのを見るよりも先に、腕の痛みを認識した。
嘘でしょう!?
サッカーボールで相手の武器を落とすなんて...こんな事、某探偵物語の主人公だけでしか見たことない!!
これじゃあ私が犯人みたいだ!
...まさか彼は実在したと言うの!?
フィクションだと思ってたのに!!
何だか裏切られた気分だ!
涙は小さく舌打ちした。
勿論それは目の前の彼...鬼道有人にも聞こえただろう。
「お前、昨日そこから俺を狙っていただろう?ここ以外に見晴らしがよく、逃げ道を確保出来てるのはここ意外にないからすぐに分かった」
驚いた。
確かにデータに頭がいいとか、天才ゲームメーカー(最初自分でゲーム機のプログラムを作る人...オタクかと思ったよ。ホントの意味は策士って事みたいだけど)って書いてあったけれど。
それでも驚いた。
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