刹那、涙に死色の紅桜

□刹那、涙に死色の紅桜
1ページ/2ページ






今日こそ殺してあげる!


そう決意して彼...鬼道有人を待つ。


時間は午後6時過ぎ。


そろそろ帰宅する時間だ。


彼は運動部に入っているからこの時間くらいに帰宅するのだろう。


それにしても今日は随分と遅い。


カツン...


背後で音が聞こえた。


涙はくるりと鬼道宅に向けていた視線を音が聞こえた方に向けた。


そこにはターゲットの鬼道有人がいた。


涙は目を見開いた。


「何故ここにいるって顔だな...」


図星だった。


涙は咄嗟に隠し持っていた拳銃を掴んだが、拳銃を掴んだ右手に衝撃を感じ、拳銃を手放してしまった。


地面に落ちて滑る拳銃や、私の腕に当たったボールが彼の足元に転がり落ちるのを見るよりも先に、腕の痛みを認識した。


嘘でしょう!?


サッカーボールで相手の武器を落とすなんて...こんな事、某探偵物語の主人公だけでしか見たことない!!


これじゃあ私が犯人みたいだ!


...まさか彼は実在したと言うの!?


フィクションだと思ってたのに!!


何だか裏切られた気分だ!


涙は小さく舌打ちした。


勿論それは目の前の彼...鬼道有人にも聞こえただろう。


「お前、昨日そこから俺を狙っていただろう?ここ以外に見晴らしがよく、逃げ道を確保出来てるのはここ意外にないからすぐに分かった」


驚いた。


確かにデータに頭がいいとか、天才ゲームメーカー(最初自分でゲーム機のプログラムを作る人...オタクかと思ったよ。ホントの意味は策士って事みたいだけど)って書いてあったけれど。


それでも驚いた。







.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ