刹那、涙に死色の紅桜

□刹那、涙に死色の紅桜
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だって中学生でフツー行動起こすか?


うん、起こさない。


「鬼道有人...アナタがまさか名探偵コ○ンだとは知らなかったよ」


涙はそう言って余裕のない渇いた笑みを見せた。


「...アレはフィクションだ。現実じゃない」


鬼道有人は目の前の殺し屋に冷静に対処した。


涙はゆっくりと後ろに後ずさる。


「...私の任務はアナタを殺す事!」


涙はそう言って隠し持っていたナイフを鬼道有人に投げた。


彼がよける刹那の時間に涙はこの建物から飛び降りた。


鬼道有人は驚き、ゴーグルの奥の瞳を見開いた。


彼は涙が飛び降りた場所から着地地点を見下ろした。


そこにはワンピースの裾を直す涙の姿があった。


鬼道有人は涙の無事な姿を見て安堵の息を吐いた。


何故俺は今、安心した...?


目の前で他人であろうと死なれるのは気分が悪いからか?


でも彼女が死ななければ俺が死ぬ...。


どちらか一方が生きていればどちらか一方は生きられない。


まるで何かの物語の運命みたいだ。


そう思うも、疑問を解決出来るわけではなかった。


涙は鬼道有人を見上げ、小さく手を振った。


「またね、名探偵さん」


涙はその場を去った。







天才ゲームメーカーと死色の紅桜



(見た目は中学生。)


(頭脳は天才。)








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