刹那、涙に死色の紅桜
□刹那、涙に死色の紅桜
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「まずはやっぱりベッドの下だよねー」
ベッドの下と言えばエロ本!
涙は床に膝を付き、ベッドの下を覗き込んだ。
エロ本どころか埃一つない。
勿論涙の目的のライフルもない。
涙は溜め息を吐いた。
「下着が見えそうになってるぞ」
自分以外いないはずの部屋から声が聞こえた。
予想外の事に涙は驚きの余り、ベッドに頭をぶつけた。
「痛っ!!」
涙はぶつけた場所を手で押さえた。
「お前、馬鹿だろう」
呆れたような声。
涙はゆっくりとベッドの下から這い出てきた。
「馬鹿って言った方が馬鹿なんだから!」
涙目で声の主...鬼道有人を睨む。
鬼道はドアの所で腕を組んで立っていた。
「それよりなんでここにいるの!?」
涙が問えば正論が返って来る。
「ここは俺の家なんだから当然だろう?」
言い返せない。
涙は押し黙った。
「探し物はクローゼットの中だ」
涙は本来の探し物を思い出し、クローゼットに近付いた。
「成る程、エロ本はクローゼットなのね」
冗談を交えて扉に手をかけた刹那、涙は鬼道にクローゼットに押さえつけられてしまった。
「ちょっ、何すんのよ!?」
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