恋愛ゲーム
□恋愛ゲーム
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彼の腕の中の彼女は寝ていた。
彼女の寝顔を覗き見る。
やっぱり可愛いな。
でもそれを独占できないのにムカついた。
「ヒロト、俺の幼馴染に手ェだしたらいくらお前でも許さねェから。」
晴矢は低い声で言った。
その瞳は嘘も偽りもなく。
本気だと見て取れた。
激昂ではない怒りがヒロトへと伝わる。
「別に晴矢の許可なんて必要ないよ。」
俺は晴矢の声に怯みもせずに普段通りに言った。
『んっ、晴矢...?』
ああ、彼女が起きてしまった。
もう少し寝顔を見ていたかったなと、名残惜しむ。
同時に一番に晴矢の名前を言ったのが気に入らなかった。
そもそも、俺はまだ彼女に名前で呼んでもらった事すらない。
キスはしたけど。
そこで俺はちょっと優越感に浸る。
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