恋愛ゲーム

□恋愛ゲーム
2ページ/3ページ










彼の腕の中の彼女は寝ていた。



彼女の寝顔を覗き見る。



やっぱり可愛いな。



でもそれを独占できないのにムカついた。



「ヒロト、俺の幼馴染に手ェだしたらいくらお前でも許さねェから。」



晴矢は低い声で言った。



その瞳は嘘も偽りもなく。



本気だと見て取れた。



激昂ではない怒りがヒロトへと伝わる。



「別に晴矢の許可なんて必要ないよ。」



俺は晴矢の声に怯みもせずに普段通りに言った。



『んっ、晴矢...?』



ああ、彼女が起きてしまった。



もう少し寝顔を見ていたかったなと、名残惜しむ。



同時に一番に晴矢の名前を言ったのが気に入らなかった。



そもそも、俺はまだ彼女に名前で呼んでもらった事すらない。



キスはしたけど。



そこで俺はちょっと優越感に浸る。










.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ