恋愛ゲーム
□恋愛ゲーム
2ページ/5ページ
センセーが俺の傍を通り過ぎる時俺に言った。
「紅月さんから目を離さないであげてね?あの子、ああ見えて繊細だから...。」
彼氏なんだからちゃんと支えてあげてね、なんて笑みを浮かべるもんだから俺は頷いてしまった。
彼氏でもないのに。
でも彼氏じゃなかろうと、俺は言われなくても雪樺から目を離すつもりはない。
これからも傍で支えてやるつもりだ。
守ってやるつもりだ。
俺だけが雪樺の本当の姿を知っていて、
俺だけが雪樺を本当の意味で理解しているのだから。
俺たちは恋人よりも強い絆で結ばれてるんだ。
その絆を今更切る気なんてねェ。
『晴矢?』
雪樺の呼ぶ声に俺はハッと我に返った。
雪樺はドアの所で立ち尽くす俺を怪訝そうな顔で見ていた。
『晴矢、ここ座って。』
.