薔薇の秘め事

□薔薇の秘め事
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「冗談はやめて下さい、綾瀬川書記。」



紗英を咎めたのは会計の藤崎楓。



楓は眼鏡を片手でくいっとあげた。



眼鏡の奥の藍色の鋭い瞳が紗英を睨む。



「綾瀬川書記じゃなくていつもみたいに紗英って呼んでよぉ。紗英そうゆー堅っ苦しいの好きじゃないー。」



紗英はぷぅと頬を膨らました。



そういう仕草が子供っぽいから小学生と間違えられるんじゃないかなと思ったが、子供らしいのは紗英のチャームポイントだから言わないでおく。



『相変わらず楓は真面目だね。私、楓のそういうところ好きだよ?』



葵はそう言って微笑んだ。



「はい、ありがとうございます...会長...。」



うっすらと頬に朱を滲ませ、照れる楓の姿は貴重だ。



生徒会は全てこの4人だけで行っている。



葵が男だという事を知っているのは生徒会メンバーとごく一部の人間とのみ。







生徒会



(それは、)


(あまり実態の知られぬ機密組織。)











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