薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
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『野暮な事聞くねぇ。そういうちっちゃい事は気にしちゃいけないんだよ。数学みたいにそういうもんだと割り切らないといつまでたっても進めないよ?』
葵は椅子から立ち上がり、棚からサッカー部のファイルを取り出した。
「サッカーや人間事情に数学は関係ありません。」
『そうかもね。でも一つ一つ納得するような時間はないんだよ。いつまでも固執していればゲームオーバー。長くボールを持ち続けていればいずれボールは敵にとられてしまう。』
違う?と首を傾げながら風丸に問えば彼はなんとも言えない微妙な顔をした。
葵はサッカー部のファイルに風丸の名前と日付を入れ、入部と書いた。
今日から風丸はサッカー部に入った。
女装少年と疾風少年
(何故分かるかなんて野暮な事、)
(聞かないでね?)
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