薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
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「この借りはどう返すんだ?」
鬼道は葵を見て口角を上げた。
挑発的な笑み。
葵とは真逆の何かを企むような笑みだった。
『そうね、有人が決めても構わないわ。』
葵の言葉に鬼道はゴーグルの奥のその赤い瞳を細めた。
「なら俺にキスしろ。」
どうせなら俺のものだと見せつけてやればいい。
そうすれば悪い虫だって付きにくくなるからな。
鬼道は挑発的に葵を誘う。
『有人大胆〜あ、有人と大胆並べると四字熟語みたい。』
「誤魔化しても無駄だ。」
『誤魔化すって何を?』
葵は首を傾げた。
本音なのか鬼道には分からなかった。
『有人...、』
葵は鬼道の頬に手を伸ばし、彼の頬に唇を押し付けた。
ちゅ、と可愛らしいリップ音が鳴った。
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