薔薇の秘め事

□薔薇の秘め事
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『ではそちらに座って下さいな。』



葵は緩慢な動作でお茶をたてていく。



「何故豪炎寺修也が出ないのにサッカーの試合を申し込んだ。」



葵は棗を手に取り、お茶をはいた。



『あら、それを言ったら試合を受けてはくれないでしょう?』



柄杓で湯を茶碗に入れ、残りを釜に戻した。



釜の中の水面に湯が落ちる音が心地良かった。



「狡賢いな、お前は。あのまま豪炎寺修也が出なかったらどうするつもりだ?」



黒いサングラスの奥の瞳が葵を捉える。



『その時は、』



葵は茶筅の動きを止め、棗の右側に茶筅を置いた。



『私がお相手しますよ。』



葵は目を細め、影山の前にお茶を置いた。








影山とお茶



(貴方やっぱり正座もお茶も似合わないわね。)


(私はコーヒー派だ。)


(誰もそんな事聞いてないわ。)











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