薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
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スカートの裾から覗く黒尻尾がスカートと一緒に揺れる。
「おお、似合ってるぞ!!」
円堂はいつもの純真無垢な笑みを浮かべた。
恋愛に疎い円堂は頬を染めもせず、そんな恥ずかしい言葉を平気で口にする。
それは素直でいい事だがなかなか実行に移せる様な事ではなかった。
『ありがとう、円堂君。』
葵はそう言って自分よりも小さな円堂に笑いかけた。
ほのぼのとした雰囲気が流れる。
完全に向こうの雰囲気に流されている。
「ところで何故望月会長がここに?」
風丸は問えば、葵が口を開くよりも先に栗松が口を開いた。
「俺たちが負ける所を見に来たでヤンスか?」
探るように、決め付けるように、葵を見る栗松。
そりゃあいつかの帝国との練習試合の前に葵が鬼道の頬にキスをしていれば誰だって疑いたくなるだろう。
染岡なんかは今にも噛みつきそうな顔で葵を睨んでいた。
いつもなら殴りかかりそうだが、葵を女の子と認識しているので手は出さない。
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