薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
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そんな様子を可愛いななんて思いながら、いじめる言葉を探す。
『何?私に応援してもらいたいの?』
ちょっと焦らしてみる。
「ああ。」
意外にも素直に肯定するものだから拍子抜け。
天才ゲームメーカーはこの焦らしに気付いているのかもしれない。
なら焦らすのは止めよう。
『大丈夫、心の中でちゃんと有人を応援してあげるから。』
葵はいつもの笑みを浮かべた。
"有人を"...この単語を付け足すだけで鬼道が機嫌を直す事くらい分かっている。
名前で限定する事で特別だと言う独占欲が満たされる。
くだらない独占欲
(満たしてくれるのは、)
(彼だけだ。)
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