薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
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目の前の障子が開いた。
「何時まで寝てるんだい?葵...?」
女中がさっと廊下で頭を下げ、謝罪を述べている。
「お休みの最中申し訳ありません葵様!!私めは止めたのですが...!」
ああ、ホント最悪だ。
今の私はノーメイク&ウィッグなし。
最悪だ。
いや、寧ろ男だと知り、婚約の破棄を願うだろうか?
『いいよ、下がって。』
葵が命令すると女中は顔を青くしながら下がった。
全く、ドジなんだから...。
そういえば有人にバレた時も彼女が原因だったな...。
葵は溜め息を吐いた。
「葵、なの?」
葵は布団から出て、今ではすっかり慣れた正座をする。
『レディーの部屋に入るときは静かに、了承を得てからにして。』
その言葉をアフロディは肯定と受け取った。
「男...?」
『そ、男。影山さんから聞いてない?』
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