薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
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―――貸して下さい、紗英。
―――あー!楓!紗英が会長とお話してるのにー!
携帯越しに楓と紗英の声が聞こえた後、電話の相手が楓に変わった。
―――会長、今何処にいます?
『何処でしょーか!』
葵はそう言って携帯を耳から放し、観客達の歓声を聞かした。
葵は携帯を再び耳に当てた。
『分かった?』
―――はい、分かりました。世宇子スタジアムですね。
あ、これで分かっちゃうんだなんて楓の判断力に驚いた。
まぁ私が行くとこなんて限られてるしね。
―――今からそちらに向かいます。
ぷつりと電話が切られれば葵はポケットに携帯を入れた。
試合の様子を見れば雷門が世宇子に3点を許し圧倒されている頃だった。
「まだ続けるかい?続けるに決まってるよね...。では質問を変えよう。チームメイトが傷付いていくのをまだ見ていたいのかい?」
葵はアフロディの言葉に顔を歪めた。
そして心配そうに豪炎寺や鬼道を見詰めた。
アフロディの言葉に、円堂の瞳には地面に体を横たえているチームメイト達が映る。
「続けるか、棄権か...君が決めるんだ。」
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