薔薇の秘め事

□薔薇の秘め事
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ヒロトが猛烈なハグに耐えきれず、私が倒れて、その時どっかにひっかけてニットが破けて男だってバレた。



ついでに左脇腹に怪我して、出血して大騒ぎになった。



うん、良く覚えてる。



私の失態...痴態だ。



『覚えてる。最悪の思い出ランキングベスト5に入ってる。』



げんなりとした様子で葵は言う。



『そう、私も覚えてるわ。』



もう一方の彼女はニコリと笑った。



その時空から射す青い光が現れた。



そこからは先程別れたはずの円堂カノン。



「やっと見つけた!元の時代に戻るぞ!」



そう言ってカノンが掴んだ相手は葵で。



『ぇ?』



なんで私!?と言葉を続ける前に腕を引かれる。



青い光に触れる前に葵の腕を掴んだのは豪炎寺で。



「望月は元々この時代の人間だ。違う時代の望月はこっちだ。」



豪炎寺が顔を向けた方をカノンが見れば同じ顔。



カノンは掴んでいた腕を解放し、葵に申し訳なさそうに謝った。



「ごめんな。」



頬を掻くカノンを見て、やっぱり円堂君にそっくりだと思った。



見た目もそうだが、内面的な物までしっかりと遺伝してる。



『それじゃ、帰りますか!』



そう言って彼女は青い光に包まれた。



慌ててカノンも青い光に飛び込んだ。



彼女は振り返り、青い光から手を伸ばし、豪炎時に手を伸ばした。








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