狂愛
□狂愛
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僕は目を疑った。
死んだと思ってた。
死んだと信じていた。
だけど目の前の彼女は確かに見えていて。
彼女の鼓動が止むのをこの手で感じた。
彼女の呼吸が止むのをこの目で見ていた。
だけど視線の先には死んだはずの彼女が。
僕が見た彼女の死(絶望)は夢だと言うのだろうか。
僕は彼女に釘付けだ。
練習中だと言うのに。
一点を見つめたまま動かない僕をヘラが呼ぶ声が聞こえるが、そんな事今の僕にはどうでもいい。
「アフロディ!!」
名前を強く呼ばれ、肩を掴まれる。
僕はハッとした。
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