狂愛
□狂愛
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アフロディはクローゼットからバスローブを取り出し羽織った。
「緋美!!」
名前を叫び、家中を駆け回る一歩手前で緋美は見つかった。
『何叫んじゃってんの、お兄ちゃん。朝から近所迷惑だよ。』
緋美はそう言ってくすくすと笑った。
「緋美!」
アフロディは緋美に抱き付いた。
「いなくなったかと思った。」
『私はお兄ちゃんの為にいるんだよ?お兄ちゃんの幸せのために。だからいなくなったりしないよ。』
緋美はアフロディの唇に自分の唇を落とした。
フレンチキスからディープキスへ。
唇を離し、アフロディは緋美に言った。
「その表情ゾクゾクするよ。」
扇情的な牡丹
(「明日が来るのが恐いんだ」)
(「この世に明日など存在しない、人間が定義しただけだ」)
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