薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
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みんながポジションに戻る中、葵は近くにいた秋に言った。
『秋ちゃん、三人にアイシングしてあげて。』
言われた秋はえ?と声を洩らした。
『よろしくね。』
秋が追求するよりも早く、葵はフィールドに戻った。
少女は鬼道に近付き、不機嫌そうに眉間に皺を寄せた。
「どういうつもりだ。あたしたちを嘗めているのか。」
「これも作戦の内なのでね。」
鬼道自身この作戦の事がいまいち理解出来ていないので自嘲気味に言う。
後半戦が始まる。
人数が少ない分中盤が忙しなく動き回る。
プレイをしている中鬼道はゴール前に隙が出来ていることに気付いた。
人数が少ないから攻めきれないと思い込んでいるのだ。
『ゲームメイクがしやすいでしょ?』
葵の言葉に鬼道はハッとした。
「葵、お前最初から気付いて...!?」
『人数が少ない分、向こうは私達がゴールまで行けないと思って油断している。こっちは怪我人に無理させないで済むしゲームメイクがしやすい。』
「面白い。」
意図に気付いた鬼道は口角を上げ、指示を出していく。
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