薔薇の秘め事

□薔薇の秘め事
2ページ/4ページ








開始早々に点を入れられてしまった。



それが何度も繰り返される。



また点差が広がる。



勝つなんて不可能。



そこで瞳子監督の目的に気付く。



最初から、諦めてるんだ。



目的は勝つことじゃない、経験なんだと。



そしてこの布陣は怪我人を出さない為なんだと。



「どうやらゲームセットのようだ。これで分かっただろう。大いなる力の前では、お前達の力など無力であることを。」



「何、勝った気になってんだよ...、」



葵は円堂を見た。



ふらふらしながら立ち上がる様は痛々しかった。



「みんな、俺なら大丈夫だ。」



大丈夫と言われても、お世辞でも大丈夫そうには見えなかった。



しかし円堂が試合中止を聞き入れない事は、帝国が雷門に試合を申し込んだあの日からと言う短い付き合いの中で十分な程に知り、分かりきった事だった。



「地球にはこんな言葉がある。井の中の蛙、大海を知らず。己の無力さを思い知るがいい...アストロブレイク!!」



初めて見るレーゼの必殺技。



「マジン・ザ・ハンド!!」



円堂がマジン・ザ・ハンドを繰り出すが止めることは出来なかった。



そして試合は終了し、雷門は敗北だった。



雷門メンバーは円堂をキャラバンに運び込んだ。



「ゴメン、みんな...あたしが一緒に戦おうなんて言わなきゃこんなことにはならなかったのに。」



塔子は唐突に誤り、罪悪感に苛まれていた。








.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ