薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
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『塔子ちゃんの所為じゃないよ。元々私達はエイリア学園を倒そうとしているのだから結果としては変わらなかったと思う。』
葵は塔子を元気付けようと手を握った。
塔子は顔を上げ、小さく頷いた。
染岡は歯軋りをし、イライラした様子で傍にあった木を蹴った。
『染岡君、歯軋りすると顎関節症になって柔らかいものしか食べられなくなるよ。』
「なんで望月会長はそう能天気なんだよ!?円堂が傷付いてもヘラヘラしやがって!!」
染岡は葵に近寄り胸倉を掴んだ。
「やめろ染岡!」
風丸が染岡を止めようとした。
『いいよ風丸君、止めなくて。』
葵は風丸に制止をかけてから染岡を見据えた。
『手をを放して、染岡君。』
静かに葵は言った。
「余裕そうだな、望月会長。」
吐かれた皮肉にやっぱり手を放してはくれないだろうと諦める。
葵の言葉を染岡が聞き入れることはない。
周りのメンバーはヒヤヒヤしながら二人を見守る。
『いいねぇ、真っ正面から向かってくる君のスタンスはとても好感が持てるよ。』
冷やかしの様に葵は冷笑的に笑う。
葵の余裕そうな態度が染岡の逆鱗に触れ、染岡の怒りを増幅させてしまった。
葵の胸倉を掴む染岡の手に力が加わる。
「ふざけやがって...アンタのその見下した態度が気に入らねぇ...!」
『それは完全に君の思い込みだよ。それより人の話聞け。』
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