薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
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「うん、大丈夫だよ。」
わ、儚げで声可愛いな。
きっと女子に人気があるに違いない。
「雪原の真ん中で何してたの?」
秋の問いに少年は答えた。
「あそこは僕にとって思い出深い場所なんだ。北上根って言ってね。」
古株さんによれば北上根は雪崩の多い場所だそうだ。
一瞬少年が悲しそうな顔をしたのを葵は見逃さなかった。
「ところで坊主、どこまで行くんだ?」
「そうだね...蹴り上げられたボールみたいにひたすら真っ直ぐに。」
少年は目を閉じてからイナズマキャラバンの天井を見上げて言った。
目で見えなくても、彼の目にはボールが跳んでいく姿を想像しているのだろう。
「いいなその言い方!蹴り上げられたボールみたいに真っ直ぐにか。なっ、サッカーやるの?」
円堂が少年の言葉に感銘を受け、円堂は少年に聞いた。
「うん、好きなんだ。」
「俺も大好きなんだ!」
少年と円堂が笑いあう。
周りの人間から見ればサッカーが好きなもの同士だが葵には一種の告白の様に見えた。
葵は円堂を見るフリしてチラリと円堂の隣に座っている風丸を見れば予想通りに彼はムスッとしていた。
円堂を横取りされたみたいで気分が悪いに違いない。
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