薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
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突然タイヤが雪に埋もれ、動けなくなってしまう。
「ちょっと見てくる。」
「駄目だよ。山親父が来る。」
少年の言葉にぇ?と声を洩らした瞬間目金の所の窓に熊の手がぶつかる。
目金は近場で見てしまったが為に失神した。
熊が車体を揺らし、イナズマキャラバンの中は混乱状態。
「「うわぁあっ!!?」」
「「きゃあ!!?」
『うきゃぁ!?』
葵は鬼道の腕にしがみついた。
悲鳴が収まったと思ったら葵の隣の少年は毛布を残して消えた。
何処にいるのかと探している間にもう一度車体が大きく揺れた。
「もう出発しても大丈夫ですよ。」
イナズマキャラバンの中に戻って来た少年は言った。
信じがたいが状況的に彼が熊を倒したのだろう。
再び葵の隣に座った少年からは想像が出来ない。
『君、すごいね。』
葵は事実を受け入れニコリと笑みを浮かべた。
少年もまた、ニコリと笑みを返した。
儚げな雪の王子様
(私の王子様は何処へ?)
(なんてね...。)
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