薔薇の秘め事

□薔薇の秘め事
2ページ/4ページ








それを見る限り彼自身も強引の様に見えた。



『行かせない!』



葵は吹雪の前に立ち塞がり、脚を駆使してボールを奪おうとした。



しかし寒さの所為か動きが悪く、抜かれてしまうと思った時には転倒してしまった。



吹雪の後ろ姿を目で追う結果となった。



やはりそう簡単に数年のブランクは埋まらないし、温度差には肉体が生理的についていけない。



葵は溜め息を吐き、立ち上がった。



流石北海道...冷えた地面の所為でおしりが冷たい。



摩擦熱で温めようと尻に付着した土を払ってやる。



「吹き荒れろ...エタノールブリザード!!」



回転をかけて蹴られたボールが円堂に向かう。



「ゴッドバンド!!」



止めたと思った刹那、ゴッドバンドが破られ、先制点を許してしまった。



『流石"ブリザードの吹雪"の異名を持つだけあるね。』



スピードもパワーも申し分ない。



「俺がエースストライカー、吹雪士郎だ。」



吹雪は挑発的に名乗った。



「そこまで。試合終了よ。」



瞳子監督の言葉に染岡がまだ試合は終わってないと言うようにボールを蹴り出した。







.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ