薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
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それを見る限り彼自身も強引の様に見えた。
『行かせない!』
葵は吹雪の前に立ち塞がり、脚を駆使してボールを奪おうとした。
しかし寒さの所為か動きが悪く、抜かれてしまうと思った時には転倒してしまった。
吹雪の後ろ姿を目で追う結果となった。
やはりそう簡単に数年のブランクは埋まらないし、温度差には肉体が生理的についていけない。
葵は溜め息を吐き、立ち上がった。
流石北海道...冷えた地面の所為でおしりが冷たい。
摩擦熱で温めようと尻に付着した土を払ってやる。
「吹き荒れろ...エタノールブリザード!!」
回転をかけて蹴られたボールが円堂に向かう。
「ゴッドバンド!!」
止めたと思った刹那、ゴッドバンドが破られ、先制点を許してしまった。
『流石"ブリザードの吹雪"の異名を持つだけあるね。』
スピードもパワーも申し分ない。
「俺がエースストライカー、吹雪士郎だ。」
吹雪は挑発的に名乗った。
「そこまで。試合終了よ。」
瞳子監督の言葉に染岡がまだ試合は終わってないと言うようにボールを蹴り出した。
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