薔薇の秘め事

□薔薇の秘め事
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俺は物心がついた頃にはサッカーをやっていた。



サッカーが好きだ。



ここエイリア学園にはサッカーの強い奴等が集められていた。



俺もその内の一人。



説明だとか納得だとかそういうのはどうでもいい。



小難しい話なんて聞く必要はねェ。



そんなのはそういうもんだと割りきって、理解出来ないのは全てエイリア石とかの所為だと見なかった事にしておく。



ただ強いやつと戦えるならそれでいいとあの人の話を受け流してきた。



そうやってここで生活してきたら俺はあっという間にプロミネンスのキャプテンとなり、ジェネシス候補になった。



計画がどうのこうの言っていたが強いやつと戦えるならそれを拒む理由にはならない。



だがたまに俺は何故ここにいるのかとか疑問に思った事が度々あった。



一々細かい事を気にするなんて柄じゃないんだけどな。



ただマンネリ化していたんだ。



強いやつと戦いたいと思った。



熱くて、ワクワクするような戦いを求めるがなかなかそういう奴はその辺にいるもんじゃない。



退屈なんだ。



八つ当たりにボールを蹴った所為でボールの形が歪む。



溜め息一つ。



休憩しようと思い、俺はその場を去った。



偶々廊下でグランと鉢合わせした。



グランから知らない匂いがした。



香水の匂いだ。



吐き気がする程の甘ったるい匂いではなくどちらかと言うならふんわりと香る甘い香だった。





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