薔薇の秘め事

□薔薇の秘め事
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愛媛に着き、コンビニの前でイナズマキャラバンは停車していた。



葵は近くでリフティングしているラフな格好をした少年を見つけた。



瞬間、少年と目が合う。



少年はリフティングを止め、ニヤリと口角を上げた。



葵は明らかに何かある少年に近付いた。



「なぁ、アンタが流行りの男の娘ってやつ?」



少年は葵に言う。



然り気無くその手は胸へ。



『きゃー、痴漢ー。』



胸を触る手を護身術で捻り上げ、片手で胸元を女の子らしくて隠す。



だが残念な事に言葉は棒読みだし、右手は少年の腕を捻り上げていた。



『君何?なんで知っているの?』



葵はパッと手を解放した。



少年は掴まれていた手を擦り、改めて葵を見た。



「つまり男だって認めるんだな。」



少年の言葉に葵の質問は返って来ないと知る。



葵は開き直る事にした。



周りに聞こえていないかと見回してから少年を見る。



『だから?』



「その辺の下手な女よりも可愛いって事だよ。」



少年から出た言葉に葵はきょとんとした。



油断させようとしているのか、見境のないタラシなのか....。



『それって口説いてんの?』



「口説いたらものになるのかよ?」



『私は誰のものにもならない。私が所有格だからね。受動態はそっち。』






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