薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
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「あんたに所有される?」
少年は片眉を上げて不服そうな顔をした。
表情から言ってバカではないようだ。
それに冗談が通じる。
『へぇ、見た目と違ってそれなりに頭はいいのね。なら話戻すけど君はどうして知ってるの?いえ、影山さんとどういう関係?』
どうして知っているかなんて影山から聞いたに決まっていると分かりきった事だ。
だが影山と彼の接点は分からない。
どういう経緯で接点が出来たのかもだ。
「俺は不動明王。真・帝国学園の生徒。」
成る程、生徒か。
『つまりラスボスの下にいる腹心ってやつ?』
「下じゃねぇよ。俺はアイツを利用するんだよ。」
不動の瞳には怒り、憎しみと密かな狂気を見た。
それが不自然だった。
影山の下にいるのは大抵が影山を崇拝するだとか怯えているだとかした奴等ばかりだ。
なのにこの不動明王という男は影山を崇拝するでもなく、また脅され怯えているわけでもない。
確かな自信と反発心が彼にはあった。
影山の側にいるには不自然過ぎる存在だ。
だがそれは影山が逮捕される以前と何ら変わりないものだ。
彼の位置に私はいたのだから。
彼は私の代用品なのかもしれない。
『君は、私によく似ているね。』
「は?似てねェよ。」
葵の言葉に不動はお前みたいな変態と一緒にすんなと不機嫌になった。
葵は不動の腕を引き、歩き出した。
「その手はなんだよ?」
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