薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
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気に食わないが不動をイナズマキャラバンに乗せて不動の案内のままにキャラバンが移動する。
それが不動の思い通りになっていると思えてどうも不愉快だった。
辿り着いた先に広がるのは嫌な感じの暗い海だけ。
静かな黒い海面が急に浮き上がり、そこから現れたのは潜水艦。
黒いスーツ、ギラギラと野望を写す黒いサングラス。
懐かしい顔だ。
「久しぶりだな。」
懐かしい声。
恐怖と懐かしさと、怒りと嫌悪、それから少しの親しみ。
急に鬼道が影山と決別した時には驚いた。
あんなにべったりだったのに今でも不思議に思う時がある。
私は有人と違って決別と言える程嫌悪する事はなかった。
考えてみれば影山さんは私にとって近付きやすく離れやすい曖昧で不安定な存在である。
関係を例えるならチャット仲間のような、殺し屋と依頼人のような、そんな関係だ。
突き放そうと思えば簡単に離れられる、そんな関係だと思っていた。
互いが互いを監視し合う仲だと考えた事もある。
影山のエイリア皇帝陛下の単語が妙に引っ掛かったが、エイリアと付くからにはエイリア学園となんらかの関係があるに違いない。
皇帝陛下と言うのは嫌味であり何らかの権威の象徴だろう。
「かつての仲間に会わせてやろう。」
影山は冷たい壁の向こうへと消えた。
鬼道が走り出した。
それを葵と円堂が追う。
足に響いてむかつく。
その後に更に追いかけようとする雷門メンバーを不動が制止させる。
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