薔薇の秘め事

□薔薇の秘め事
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「鬼道、自分の過ちに気付き再び私の前に跪いたかつての仲間を紹介しよう。」



影山の紹介により現れた二つの影。



二人とも見覚えのある顔。



佐久間と源田だ。



「ここからはかつての仲間同士再会を楽しんで貰おう。」



影山はそこで言葉を区切った。



「望月、再びサッカーを始めたようだな。」



鬼道に向けられていた野望を孕んだ瞳がこちらに向く。



サングラスがなかったらと思うと背筋がぞわりとした。



『そうね、だから?』



この際強気に出て虚勢を張る。



「私の元に戻って来い。」



短く言われた言葉はある程度予測していた言葉だった。



『私は道化よ。私は誰にだって無礼は許される。貴方が私を咎める事は出来ない。』



「まるで子供みたいな言い訳だな。全てを隠し通せるなどと思い上がるな。」



『私は嘘が得意なの。馬鹿にしないで。』



葵スッと目を細めた。



それはいつも葵が微笑む時の細め方ではなく、寧ろ軽蔑に近い明らかな敵意を表すような、獣の瞳孔が細まるような感じだ。



影山は葵の変わらない態度に...いや以前よりも敵意があってまるで葵が影山と決別した時のような水面下の静かな争いのようだった。



「お前が今すぐこちらにつかないのは分かっている。」



影山の姿は冷たい壁の向こうに再び消えた。








近付きやすく離れやすいいのは思い込み?



(それはつまり、)


(私が影山さんの元に戻ると言うこと?)








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