薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
2ページ/4ページ
「怖いのか?俺ごときに追い抜かれるのが?」
鬼道の忠告も佐久間には届かない。
佐久間は今度は葵を見た。
「お前には止められないだろ!」
まるで実力を誇示するようにいい放つ佐久間。
それが妙に痛々しくて、馬鹿げていると葵は思った。
顔を歪めた葵が、佐久間には悔しそうに見えた。
「お前は相応しくない!」
言われた言葉に少々腹が立った。
皇帝ペンギン1号は影山が考案した技だが、身体にかかる負担が大きいために禁断とした。
1仕合で2回が限界で3回目には二度とサッカーが出来なくなる。
威力は落ちるが身体への負担を減らし、三人で打つように改良したのが皇帝ペンギン2号だ。
「この試合の作戦が決まった。佐久間にボールを渡すな。」
「その作戦大賛成だ。目の前でそんな最悪な光景みたくない。」
一之瀬は一度サッカーが出来ない苦しみを知っている。
だからこそ彼の言葉にはなかなかの説得力があった。
「皇帝ペンギン!」
「「2号!!」」
鬼道と染岡と一之瀬で打った皇帝ペンギン2号が真っ直ぐとゴールに向かっていく。
「ビーストファング!」
皇帝ペンギン2号がっちりと止められてしまった。
.