薔薇の秘め事

□薔薇の秘め事
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「怖いのか?俺ごときに追い抜かれるのが?」



鬼道の忠告も佐久間には届かない。



佐久間は今度は葵を見た。



「お前には止められないだろ!」



まるで実力を誇示するようにいい放つ佐久間。



それが妙に痛々しくて、馬鹿げていると葵は思った。



顔を歪めた葵が、佐久間には悔しそうに見えた。



「お前は相応しくない!」



言われた言葉に少々腹が立った。



皇帝ペンギン1号は影山が考案した技だが、身体にかかる負担が大きいために禁断とした。



1仕合で2回が限界で3回目には二度とサッカーが出来なくなる。



威力は落ちるが身体への負担を減らし、三人で打つように改良したのが皇帝ペンギン2号だ。



「この試合の作戦が決まった。佐久間にボールを渡すな。」



「その作戦大賛成だ。目の前でそんな最悪な光景みたくない。」



一之瀬は一度サッカーが出来ない苦しみを知っている。



だからこそ彼の言葉にはなかなかの説得力があった。



「皇帝ペンギン!」



「「2号!!」」



鬼道と染岡と一之瀬で打った皇帝ペンギン2号が真っ直ぐとゴールに向かっていく。



「ビーストファング!」



皇帝ペンギン2号がっちりと止められてしまった。







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