薔薇の秘め事

□薔薇の秘め事
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『つまりはされたい?』



売り文句に買い文句。



その後の試合は硬直状態が続き、試合終了の時間が迫っていた。



「いい子ちゃんは黙ってな!」



不動は一之瀬にボールを蹴りつけた。



佐久間にボールが渡った。



「皇帝ペンギン1号!」



「やめろーっ!!」



葵は咄嗟にがゴール前に立ち塞がり、皇帝ペンギン1号を止めようとした。



『マジックミラー!』



葵の前に魔方陣の描かれた円形の鏡が現れた。



マジックミラーは相手の技を反射させる技。



攻撃と守備が同時に行える使い勝手がよい技だ。



だがしかし脚の怪我の事もあり、止めきれなかった。



脚の痛みが強まるがこの際気にせず流しておく。



「マジン・ザ・バンド!!」



マジン・ザ・バンドでなんとか止める事が出来たが、佐久間は酷く疲労していた。



「次は決める...!」



そう言いながらも佐久間は地面に倒れていた。



葵は目の前に立ち、佐久間を見下ろす。



『今の君、まるで敗北者みたいだね。君が私の前でひれ伏す姿を見るのはなかなか気分がいいよ。』



「お前にひれ伏してるんじゃない、お前がただ目の前に立っているだけだ!」



佐久間は荒い呼吸と共に吐き捨てた。



『それか赦しを乞う罪人みたいだね。』



葵は佐久間の話など聞いていない。



『苦しい?苦しいよね...止めちゃえば?楽になれるよー?じゃないと永遠に病院のベッドの上であの苦しみを味わう事になるかもよ?』



「勝利にこそ価値がある!!お前に勝てればそれでいいっ!!」



佐久間は地面から身体を起こし、ふらつきながら立ち上がった。





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