薔薇の秘め事

□薔薇の秘め事
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いや、葵は必要ないと思っている。



『私は大抵正直よ?』



「なら悩みを言えるよね?」



嵌まった、彼の策に。



だが今更言った言葉はなかった事にはならない。



『...私はまたサッカーを始めた。エイリア学園を倒す為にね。もっと早く終わると思っていたし、こんな犠牲を払うとは思っていなかった。』



葵はゆっくりと口を開いた。



手に力が自然と加わる。



「足の事かい?」



葵は先生の言葉をゆるゆると首を左右に振って否定した。



『それよりももっと大きい...私好きな人が出来た、男よ。彼は、とても素敵な人。離脱する時に彼から告白された。だから私も告白した。身体の事も、この想いも。彼が好き、彼に恋してる。』



葵はうっとりと言う。



まさに葵の言う姿は恋する乙女のようだった。



「彼は混乱状態の中にいるのにそんな事したのかい?」



『何、問題あるの?』



葵は不服そうに言った。



「そんな事したら彼は余計混乱するよ。」



混乱する?



混乱ならとっくにしていた。



妹を人質にとられ、サッカーだって集中出来てなかった。



それに油をかけたのは私だが。







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