刹那、涙に死色の紅桜

□刹那、涙に死色の紅桜
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「そんなの僕個人の自由だ。それに君の命令は聞かないよ。それとも君は岩瀬魅麗に好意を寄せているのか?それで抜け駆けされたみたいで嫉妬してたのか?もしそう思っているなら恋人面してこの問題に入り込むのは場違いだと思うよ。君が関わると余計ややこしくなる」


涙は言い切ると満足そうに一呼吸した。


「大体僕は襲ってないと何度言えば分かるんだ。ねぇ岩瀬さん?僕は君を襲ったの?」


涙はワザと挑発的に、まるで逆行性健忘症患者のように言った。


「え!?ええ襲ったわ!!」


涙はニヤリと口角を上げた。


「あれ、おかしいなぁ...もし僕が襲った事が事実なら僕は同時に二ヶ所にいたことになるよ。それとも僕が忍者かなんかで影分身が出来るだとか僕のクローンやドッペルゲンガー、シェイプシフターがいるのなら別だけどね」


「どういう意味だ」


染岡は怪訝そうにそうに顔をしかめた。


まぁ涙からすれば大抵いつもしかめっ面なのだが。


「君も有人くらいに頭の回転がいいと助かるんだけどね。つまり僕が言いたいのは僕は昼休みの間理事長室にいたから僕が岩瀬さんを襲うなんて不可能なんだよ。直接理事長に聞いてみる?僕は別に構わないよ?さぁ、言い訳を考えて、岩瀬さん?」


涙は好戦的な笑みを浮かべた。








オオカミ少女



(オオカミ少年は結局、)


(誰にも信じてもらえないんだよ。)








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