刹那、涙に死色の紅桜

□刹那、涙に死色の紅桜
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最近思う事はキスとかがそれ程嫌じゃないと言うこと。


自称男性恐怖症はただの思い込みになりつつあるのだ。


いつかからかい半分に女装した有人にならされても平気かもと言う野望を言えなくなってしまうのだ。


もったいない。


有人の女装見たかった...。


「ぁ、」


小さく聞こえた方に目を向ければ音無がいて。


音無は狼狽え、顔を真っ赤にしていた。


目が合えばたちまち涙の顔も更に赤くなり、気まずくなる。


冷や汗が流れる。


「わっ、私何も見てないからね!」


音無は声を上擦らせ、部室を出ていった。


思いっきり見てたし見られてたけどね。


「どーしてくれるの?音無さんに間違いなく誤解されちゃったよ。それとも私は御兄ちゃんと呼ばれるのかな?」


音無と目を合わせるのが辛い。


「それはつまり嫁にくるということか?」


「え、なんでそうなるの」


「御兄ちゃんということは俺の家族になるということだろ?」


ああ、成る程。


納得したが、そうにはならないと思う。


法律上まず年齢が達してないので無理だ。


「家族にはならない。お友達でしょ、セックスの」


なんて皮肉げに自嘲し、鬼道から離れた。




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