刹那、涙に死色の紅桜
□刹那、涙に死色の紅桜
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マネージャーのいるベンチに戻ればやはり音無がいて。
目が合えばお互い赤くなる。
客観的に見れば付き合いはじめの初々しいカップルだが決してそういう訳ではない。
やっぱり非常に気まずい。
どう振る舞えばいいか分からない。
涙は端の雷門の隣に座り、チラリと奥の音無を見た。
そして見ては溜め息を繰り返す事5回。
「横で溜め息吐くのやめてもらえないかしら?」
みかねた雷門が口を開いた。
「あー、ごめん。不愉快だよね...?」
「そうじゃなくって、悩みがあるなら言いなさいって事よ」
雷門を見ればうっすらと頬が赤かった。
「ツンデレ...」
小さく呟くも距離が距離なので聞こえたようで、睨まれてしまった。
「そうやってムキになる辺り更にツンデレっぽいね」
涙はフッと笑った。
公開プレイ
(そんなの望んじゃいけないのに、)
(もう止められない。)
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