刹那、涙に死色の紅桜
□刹那、涙に死色の紅桜
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朝学校に来て、最初に行くのは部室。
部室に行くのに一番近い道を通るにはグラウンドの脇の道だ。
だかやっぱりそこを通ると睨まれるワケで。
目が合えば直ぐに反らしてやる。
涙が部室に行く理由は荷物を置きに行く以外特にない。
そして何より睨まれる時間を少しでも減らしたいだけだ。
部室に行って隅っこに鞄を置いた。
貴重品なんかはいつもポケットだから問題ない。
それから涙は小さく溜息を吐き、グラウンドの方へと向かった。
ドリンクを作る為部室に向かった。
正直に言えばこっち見んじゃねェといちいち睨まれるのにはうんざりしたから自分からドリンクを作ると申し出たのだ。
別に有人を見ていればいいのかもしれないが、それはそれで気恥ずかしい。
涙が部室に入るとそこには魅麗がいて。
魅麗はしゃがみ込み、涙のバックを漁っていた。
「岩瀬さん、何してるの?」
声を掛ければ震える身体。
「佐倉君...」
ゆっくりとこちらを向く首。
目が合う。
「もう一度言っておくけど生理用ナプキンなら持ってないからね」
涙は魅麗に告白される時に言った言葉を言った。
「いい加減ナプキンから離れてよ!」
「うん、そうだね」
それもそうだ。
会う度生々しい話をしていたくない。
「で、君は僕の鞄から何を見出だそうとしてたの?僕の鞄には夢や希望なんて入ってないよ?」
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