刹那、涙に死色の紅桜
□刹那、涙に死色の紅桜
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「そこは私の権力でカバーするよ」
「刹那ちゃん...意味は分かるからいいけど、聞こえがすごく怖いよ」
涙は苦笑というには少し皮肉めいた笑顔を見せた。
涙は先日の鬼道とのやりとりをありのままに話した。
怪我した辺りは省いてだが。
「でもそれって可笑しくない?そんな急に変わるものなの?涙ちゃん先輩なんか変な事したんでしょ?」
「してないよ!!」
変なのは私が怪我したのが原因だと思う。
責任を感じているのだろうか...。
まさか、私が関わらないように、私にあんなことを...?
彼は、一人で死ぬ気かもしれない...!
「ごめん刹那ちゃん...私行かなきゃ!」
涙は駆け出した。
焦燥
(気付いた時にはいつも、)
(決まって手遅れだった。)
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