刹那、涙に死色の紅桜
□刹那、涙に死色の紅桜
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涙はよくないと分かっていたが鬼道のゴーグルに追跡装置を付けさせてもらっていた。
勿論許可など取っていない。
涙は携帯の画面から鬼道の居場所が学校だと確認すると走り出した。
予想通り鬼道は学校でサッカーをしていた。
なんて暢気奴なんだ!
不審な人物がいないか回りを見回すがそれらしい人物はいない。
変装していたり、隠れているとしたらどうにもならないが。
姿を見た訳じゃないから変装なんてしないか。
するとしたら生徒のフリをするだろう。
今の涙の姿は学校の制服。
雷門ではなく、白百合学園のだ。
目立たないわけがない。
いいさ、もしもの時は私がターゲットになってやる。
もし私が有人を殺す事を考えれば何処から狙うかは大体限られてくる。
隠れられる場所。
そして、逃げ道が確保できる場所。
場所は限定された。
きっと多分、
涙は予測した場所に向かって歩き出した。
勿論音を立てないように。
涙の読みは当たっていた。
彼はライフルを構え、忙しなく動く鬼道を追っていた。
スカートの裾から出した拳銃は先日注文した銃声がしないタイプの奴だ。
涙はそれを彼に向け、引き金を引いた。
パシュッとゴムが伸縮するような、スタンガンよりもずっと小さな音だった。
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