刹那、涙に死色の紅桜
□刹那、涙に死色の紅桜
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彼は呆気なく絶命した。
直ぐに携帯を取り出し、アステリスクに電話を掛けた。
「もしもし?」
『桜か?』
電話越しに聞こえたアステリスクの声。
女口調じゃないと言うことは回りに人がいないと言うことだ。
まぁ、アステリスクの状況なんてどうでもいいが。
「うん、後始末お願い。場所は雷門中校門付近。」
『おいおい、日が沈む前から止めろよ』
「文句言うなら死体にでも言って。ついでにこの前渡した薬莢と銃弾の照合もお願い」
『死人に口なしだよ。まったく、ワガママなお嬢様だね...まぁそうやって振り回す所が魅力的だけどね』
「冗談言ってないでさっさと仕事して」
そうきつく言うと涙は通話を切った。
涙はライフルのターゲットであった鬼道を見た。
これが、鬼道有人の選んだ道...。
そんなに死にたいなら私が殺してあげるのに。
ホントに殺せるのだろうか?
まぁ、他人に殺されるくらいならいっそ自分の手で...なんてね。
殺せるわけがない。
もしそうなら私は自ら己の命を奪うだろう。
紅桜の暗躍
(誰にも邪魔はさせない。)
(させやしない。)
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