刹那、涙に死色の紅桜
□刹那、涙に死色の紅桜
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「えーと、みんなに会うのはサッカー部以外は久しぶりかな?全校集会とかちょっとやり過ぎな気もするけどやり過ぎなくらいがちょうどいいっていうし、まぁいいよね!」
そこで一度言葉を区切り、一呼吸。
「さて、面倒な説明を省いて要件だけ言っていこうか。...僕は今日中にこの学校から消えます」
涙の言葉に驚く人、喜びさっさといなくなれとヤジを飛ばしてくるなど様々な反応だ。
それを涙はニヤリと笑みを浮かべ、真実を知った時どんな反応を見せるか楽しみで仕方がないからそんな下らないヤジなんて気にならない。
「慌てず落ち着いて聞いてくださいね。こう見えて僕、女の子ですから」
涙のカミングアウトに更なるどよめきが走る。
勿論涙の計算通りだ。
そして矛盾にに気付く。
「それって可笑しくねぇか?岩瀬は佐倉に襲われたって...」
「佐倉ってもしかしてレズ...?」
聞こえた単語に思わず怒鳴ってしまった。
「んな訳ないでしょ!!」
レズビアンじゃない。
断じてレズビアンではない事を宣言する。
レズビアンになってたまるか。
牛乳を口移しで飲ませるのも飲まされるのもごめんだ。
「全て岩瀬さんの自作自演です。...岩瀬さん、前へ」
涙が壇上に魅麗を促すが、なかなか前へ出てこない。
「岩瀬魅麗さん、前へ」
もう一度同じ言葉を繰り返す。
恐る恐る、ゆっくりと魅麗は壇上にあがってきた。
「みんなに謝って。私は許すから。だから嘘吐いた事みんなに謝って」
魅麗の目を見ながら言うのはちときつい。
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