狂愛
□狂愛
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...ねぇ、知ってる?
僕はホントは神様じゃないんだ。
神様なら緋美の病気を治してあげられるのに。
神でもない癖に、妹の願いを叶えて、神になったつもりで...。
僕はズルイ人間だ。
妹の貪欲さを利用して妹を抱こうとしているんだ。
前から妹が欲しかった僕にとってまたとないチャンス。
不謹慎にも嬉しくなった。
そんな自分が嫌いになった。
僕はわずかな理性で本能に逆らってみる。
ダメだ、と。
『お願い、お兄ちゃん...。』
潤んだ瞳で見上げてくる姿に、僕の残りの理性が崩れた。
神様、どうか赦して下さい。
最期くらい妹の願いを叶えさせて下さい。
僕はゆっくりと、本能に身を預けた。
紅色の牡丹が咲き乱れた。
犯罪者のレッテル
(惚れた弱みってやつかな?)
(僕は妹がこれほどまで僕を乱すとは知らなかった。)
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