狂愛

□狂愛
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全てが愛おしかった。



妹の全てが。



妹から牡丹の匂いがまたした。



窓の近くに置いてある花瓶に牡丹があった。



嗚呼、この匂いだったのか。



風に舞い、花弁がベッドの上にいる僕の所まできた。



ひらひらと舞い散る牡丹の花弁が妹の命のカウントダウンを刻んでいる様で、腹が立った。



無力な自分がどうしようもなく憎かった。



後何日、妹は生きられるのでしょうか。



僕は白色の牡丹の花弁をギュッと握り潰した。








カウントダウン



(神様、どうか妹を連れて行かないでください。)


(僕は切実に神に懇願した。)














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