狂愛
□狂愛
2ページ/2ページ
「うん、結婚しよう。」
僕の口から改めて結婚の言葉が出てくる。
『じゃぁ...、苦しい時も楽しい時も私を愛する事を誓いますか。』
妹の口から出てきたのはベタな誓いの言葉。
それが面白くて、嬉しくて。
自然と笑みが漏れた。
「誓うよ。」
そう言って僕は本来指輪が填まる筈の左手の薬指に唇を落とした。
妹は不思議そうな顔をしたから、指輪の代わりだよと言った。
「苦しい時も楽しい時も僕を愛する事を誓いますか。」
『誓います。』
妹も僕に倣って僕の左手の薬指に唇を落とした。
『「生まれ変わっても、愛し続けます。」』
そう言ってお互いに唇を寄せた。
薄紅色の牡丹は叶わぬ愛のカタチ。
サイショでサイゴの配偶者
(誰よりも君を愛してる。)
(僕は誰よりも妹を選んだ。)
.