不意に抱きつかれた
その時の綱海先輩はめずらしく弱気だったからちょっと吃驚した
「綱海・・先」
最後まで言い終わらないうちに綱海先輩が深いキスをしてきた
それはとても深くて危うく酸欠になりそうになった
息もできなくて暫くたって綱海先輩を押し返した
すると、やっと離してくれた綱海先輩はとても悲しそうな表情
見たことのない表情だった
怖くなった
綱海先輩は何時もニコニコしてて優しいから
こんな不安げな先輩は初めてだ
とても申し訳なくなって涙が頬を伝う
暫くじっと先輩がわたしと同じ高さに目線を落とした
そして
「お前は、俺のものだから、近くにいてくれ」
不安げに言った先輩
「なんで・・・」
「お前が、こんなに近くにいるのに、遠くにいる気がしてたまらないんだ」
そう言ってまたキスをした
歳の差の壁
誰かに取られないかが心配でたまらないんだ