dark world ..

□お人形さん(製作中)
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【お人形さん】



8才の冬
俺は両親を亡くした
不意の事故だったらしい

その知らせを聞いた時
俺は涙一つ流さなかった

どうせ俺を家に残してどっかに遊びに行ってたんだ
いつものことだけど


お葬式には沢山の人が集まった

来た人皆 ボロボロ泣きながら
「悠希君、可哀相だね 淋しいでしょ」
って五月蝿いくらい言ってきた

別に俺は 愛されてもらった記憶とかないし
いてもいなくても一緒
今更 悲しいという気持ちはないんだよ?


お葬式が終わり
後片付けをしていた俺の前に
おばさんが近づいてきた
遠い親戚の人らしい


「悠希君、淋しいでしょ」

また同じことを言われるのかとうんざりしている俺の前に箱が置かれた
細長く、紐で縛られた
2m近くある棺桶みたいな箱

悠希「これ、何?」

「お人形さんよ。
悠希君が淋しくないようにあげる」

悠希「え・・いや」

「いいの いいの
これはね?魔法のお人形さんなんだから」

そう言って去って行った


悠希「・・馬鹿じゃねぇの 笑」


あのおばさん 俺を餓鬼扱いしやがって
魔法の人形ってなんだよ

軽く箱を叩いた

悠希「・・ふん」


俺は人形の入った箱を隅に置き
片付けの続きを始めた
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