頂きもの

□Thank you very much for living with me !
1ページ/3ページ










なんとなくだけどさ、
僕と君には君と僕じゃなきゃ駄目だった気がするんだ

感謝したくなっちゃうね、
君がここにいることに
















今日はとても良い天気だ。
今はもう午後の四時ぐらいだけど、春は昼の方が比較的長いようなのでまだまだ空は青かった。こういうのは散歩日和だね、って柊に言ってみたら、いやデート日和だろ、と返したのでこの清々しい気分をどうしてくれたんだと内心で悪態をついて、馬鹿と一言いってやった。


風が吹いた。
春のわりには割と大人しい風がとても心地よかった。
雲がゆっくりと、少しずつどか遠くに移動している気がした。僕らは何故だかだいぶ早めに歩いているので、雲のスピードがどれほどかは分からないが、ゆっくりと、漂っている気がした。
その風に乗って、梅か桜かの白い花びらがふわふわと浮いている様に僕の前を通った後、空の奥へと舞っていった。
そうか、今日はお花見日和か。






「それでよ、………って話聞いてっか?」
「え、あ、全然。まったく。」
「何素直に答えてんだよ。」
「あはは、ごめんごめん。」
「お前、なんかあったのかよ?」

上の空だったぜ、って言うけど、うん、その通りだったんだけどね。僕はずっと空を見ていたから。


柊は春休みになって地方に住んでいる家族の元へと帰ったらしい。僕はそのことに少し驚いたあと、だから寮な訳だと納得していた。





.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ