企画

□ロボットにも心を
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ごめんなさい
ごめんなさい

騙していたこと、嘘をついたこと

たった1ヶ月だけだと思っていた
それがこんなに楽しくて優しい日々を送るなんて思わなくて

時々オレはこの気持ちに見て見ぬ振りをして気持ちを隠した

だって、オレは貴方の前ではロボットでいなくてはいけない
だって、オレは貴方を騙し続けてる

今だって、さようならも騙してごめんなさいも言えないまま終わろうとしている

出来ることならもう一度だけ貴方に会って謝りたい
そして、許してはくれないかもしれないけどこの気持ちを伝えたい

「綱吉君?」

綱吉はボーッとしてた頭を軽く振って同僚の骸に聞く

「あ、ごめん!今、どこまで処理できた?」

「今、2番ラインは正常に動いてますが、1、3と5のラインが少し遅れがみられますね…」

工場内の設計図を見合わせながら
修理の検討をしていく

「どこか滑りが悪くなってるのかな?それとも……」

ディーノが告げた言葉は工場内の機械が時々ストップするようになり、人手が足りないということで
オレは1ヶ月ではなく半月でこの会社に戻ることとなった

「綱吉君が戻ってきてからだいぶ復旧にかかる手間が省けました。」

骸がそう言って微笑むと綱吉も微笑んで返す

「そう言えば、この半月間はどこに行かれてたのですか?」

骸は思い出したように綱吉に訊く
綱吉は苦笑いをして

「ディーノさんから別の任務を貰ってて、行ってたんだ」

と小さく笑う綱吉に骸は

「その任務は凄く楽しかったみたいですね…」

と言った

「えっ!?」

驚く綱吉の手にある設計図を骸が取る

「こっちに帰ってきてから、呆けているし、いつも笑顔でいた顔が少し暗いですから…その任務が楽しかったのではないかと思ったんですが…」

『違いますか?』そう骸に問われて綱吉は自覚する

雲雀と過ごした半月がとても楽しかったこと雲雀のことが……

綱吉は首を横に振る

「でも…もう終わった事だから」

「おや、そうですか?僕にはまだ貴方とその前の任務が繋がっているように見えますが?」

骸は意地の悪い笑みを浮かべる

「何言って…」

「明日辺りにあの跳ね馬が誰か連れて来そうですがね」

そう言うと骸は持ち場についた

「明日…ディーノさんが?」

綱吉は不思議に思いながらも作業に取りかかった



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