企画

□ロボットにも心を
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「たぶん、ここに綱吉がいる」

会社内のある場所に着くと、雲雀は即座に入る

そこには、慌てている綱吉の姿しかなく、雲雀は咄嗟に駆けつけようとする

「綱吉!!」

「雲雀さん…」

綱吉は、雲雀と向きあい後ろに数歩歩くと立ち止まり

「ダメです!!来ないでください」

ある程度距離を離すと綱吉はそう叫び、雲雀はその場で止まる

「どうして…どうしてここに来たんですか?」

「君を連れて帰るために」

綱吉の問いかけに雲雀は優しげに言う

「オレは……ずっと、貴方を」

綱吉の大きな瞳から1つ1つ雫が流れる

「君は人間なんだろ?そんなの知っている」

「ディーノさんから聞いたんですか?」

綱吉の言葉に雲雀は首を振る

「それは、違うぜ…ツナ、恭弥は自分で気がついていたんだ」

ディーノが代わりに答える

「でも!それでも騙していたことには変わりはないんだ!!」

涙を拭く

(騙していた罪悪感…
気づかなかった思い
どうしてだろう…雲雀さんが傍にいることを心の底で喜んでいる)

「ごめん、なさい…雲雀さんとはもう会いませんから」

『ごめんなさい…ごめんなさい』と何度も呟く綱吉に

「ふざけないでくれる?僕はさっき言ったよ『君を連れて帰る』と、聞こえなかったとは言わせない」

と強気の口調で返す
綱吉は涙を拭く手を止めて

「でも、雲雀さんを騙していたんですよ!」



「じゃあ、僕も君を騙していたんだよ。君を人間だと気づいていたのに黙ってた。これで一緒でしょ」

「雲雀さん…」

「ねぇ、もう近づいていい?君に触れたくて仕方がないんだ」

雲雀のその言葉に綱吉はコクンと首を縦に振る

その仕草を見て雲雀は一歩づつ近づいていき、綱吉の前に立って抱き締めた

きつくきつく痛いほどにだけど綱吉は幸せだった

「お帰り綱吉」

「只今、帰りました…」

抱きしめ合って言葉を交わす

ディーノはというと、その2人を置いて部屋から出ていた

「おや、もう帰ってきたんですか?元凶の跳ね馬」

そこに通りかかった骸の言葉にディーノが驚く

「骸…お前、なんで知ってんだ?」

「綱吉君のことならなんでも…やはり、早めに事を進めていた方が良かったですね」

「……お前」

「なんですか?同情ならいりませんよ。それよりも5番ラインがまだ遅れているんです。暇なら早く修理してください」

「あ、あぁ…」

ディーノが行ったことを確認すると骸はこっそりと部屋の中を覗き込み

「やっぱり、君は笑っている方が素敵です」

そう言って扉を閉めた




「綱吉…これ」

雲雀が取り出したものは数日前に渡された指輪だった

「オレがディーノさんに預けた指輪…」

綱吉はその指輪を受け取り雲雀の顔を見るとその顔は笑っていて

「これと一緒に帰ってきてくれるんだよね」
と言った

「…っ!!はい!」

それから綱吉は同じ会社で働いているディーノは一時的に異動しただけなので、今は元の会社にいるが時々綱吉のいる会社や雲雀の家に遊びに来る


そして、雲雀と綱吉は半月間、暮らしていたあの家で仲良く助け合いながら暮らしている

fin
→後書き
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